DrKameのブログ

フランスのストラスブールへ1年間の留学、その体験談をお伝えします

外科トレーニングコース3日目〜40代後半からの留学〜

3日目は、ライブ手術から。

1例目は、台湾からのライブでした。

Prof. Tangによる総胆管結石に対するダビンチ手術。

総胆管を切開して十二指腸と端側吻合でした。V-lockを使った連続縫合で、全層1層縫合、しかしV-lockの最初は結紮していました。

縫合に関しては、ダビンチは良いなと思いました。

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2例目は、 Prof.DallemagneによるNissen手術。

術中内視鏡をしながらの手術で、ほぼ日本と同じですね。

剥離も丁寧で、日本の上手な先生の手術を見ているようでした。

迷走神経の肝枝も残していました。

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3例目は、Prof.LeroyによるS状結腸穿孔をドレナージした後の切除でした。

良性疾患の割には、結構下まで剥離して、結局DST吻合でした。

逆にDSTにするために直腸まで剥離したような感じでした。

 

1例目はダビンチだったので、なんとも言えませんが、2例目、3例目ともに助手はほとんど動かず、ただ押さえているだけ。

助手の展開とかって全くなくって、面で場を作るとかという意識は全くありません。

手術は、術者がやるっていう感じです。

それなのに、なぜ単孔式腹腔鏡手術ははやんないのだろう?

 

このあたりは日本の外科の方が、みんなで手術を作っているというか、チーム医療という感覚が養われるような気がしました。

 

午後はアニマルラボの時間だったのですが、自分はアメリカから来た教授たちへ日本の外科医が内視鏡もやっていることをプレゼンしました。

ERCP,、ESTやESDをやっている自分のような外科医はそれほど多くはないけど日本にはいるとプレゼンしました。

アメリカも昔(90年代始めまで)は消化器内科の先生も腹腔鏡を外科のレジデントと一緒に学んでいたと言っていました。(すべての施設ではないようですが)

消化器外科と消化器内科の先生がもっと垣根なく、お互いに成長できる環境を作っていきたいですね。

 

日本では当たり前と思うことがそうではなく、逆にこれこそがポイントだと思うことがそうでもなかったりします。

 

アメリカやヨーロッパへ向かって合わせていく必要はないのかもしれませんが、世界標準になるには合わせざるを得ないようにも思います。

膜の話のようなこだわりが大切なのはわかってはいますが、世界と戦っていくには、そのエビデンスを出すことが必要です、たぶん。